2023-24年度 ガバナー月信

2024年2月号

サソリとカエル

国際ロータリー第2580 地区
2023-24 年度ガバナー
栃木 一夫

ゴードン・マッキナリーRI 会長、第2700 地
区ガバナー吉田知弘氏と記念撮影 ロータリー研究会にて(2024 年 11 月開催)
ゴードン・マッキナリーRI 会長、
第2700 地区ガバナー吉田知弘氏と記念撮影
ロータリー研究会にて(2024年11月開催)

 元旦に起きた能登半島地震で犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。そして何より一刻も早い復旧、復興を祈念いたします。
 当地区では、被災地支援の募金をさせていただいております。いただきました募金は被害が最も大きかった第2610地区へ送金いたします。ご支援、ご協力をお願いいたします。昨年は関東大震災から100年を迎え、1月17日には阪神淡路大震災から29年目となり、南海トラフ地震も高い確率で予想されており、首都直下型地震はいつ発生してもおかしくない状況です。災害がある度に、準備が万全か?と考えさせられます。2日に起きた羽田空港での事故でも明らかなように、日頃の訓練や備えは自分たちを守ることになります。それゆえ地区内で災害が発生した場合、会員間の連絡方法等、災害対応マニュアルをクラブも地区も作っておくことも大事ではないでしょうか。
 2月は平和構築と紛争予防月間です。サソリとカエルの寓話があります。各々が持つ性格や本能、欲求や運命、宿命など人間の持つ性サガが、紛争が無くならない一因になっているのかと考えてしまいます。
 1匹のサソリが川岸を歩いていた。向こう岸に渡れるようなところはないかと探していたのだ。そこにカエルが現れた。サソリは、蛙に「俺をおぶって向こう岸まで連れて行ってくれないか」と頼んだ。すると、蛙は言った。「冗談だろう。途中でお前は俺を刺すに違いない。そうしたら、俺は溺れてしまう。」サソリはカエルに言い返した。「なんて理屈の通らない言い草だ。君が死んだら俺まで溺れてしまうじゃないか。」

 蛙は納得し、サソリを背負って川を渡り始めた。ところが川の真ん中で蛙は背中に鋭い痛みを感じた。「どうして刺したお前も溺れてしまうのに」カエルはサソリと一緒に沈みながら叫んだ。すると、サソリは言った。「分かっているけどやめられない。それが俺の性なんだ。」
 カエルとサソリが国家だったら。戦争は愚かな事と両国とも知っています。しかし「国益だから」「侵略するのが国の性」だからと紛争は無くなりません。
2月23日はロータリー創立記念日です。ポール・ハリスは、次のことばを残しています。
 「文明の栄枯盛衰は、人間の思慮の有無によって決まります。人類又は国家のできる最大の事は、個人または国家の考慮を促すことです。」
時代は移り変わっていますが、人類の性は良い変化をしているのでしょうか?人の性より考慮が勝っていなくてはなりません。
 2024年の歌会始は「和」が勅題でした。「平和」「調和」「なごむ」は日本人の性であるはずです。千玄室大宗匠がお話になる和敬静寂の精神です。お互いの心を和らげ相手のことを慎み敬い、茶室(その時、その場)の雰囲気を清浄な状態に保つことです。そうした中から思慮深い知恵が生まれるのではないでしょうか。
 今年は甲辰年、「春の日差しが、あまねく成長を助すく年」だそうです。竜が天に上るような勢いをもって持続可能な元気なクラブ実現に向け、足元をしっかりと踏みしめていきましょう。そして世界の平和構築、紛争予防に向けてロータリー活動をしていきましょう。

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