【マンガ】奉仕の理念を未来へ繋ぐ ロータリーの原点決議23-34から紐解く奉仕の心
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34また当時のシカゴは、人口の急激な都市集中化により、繁栄はしていましたが、その商業道徳は地に落ちた感のある街でありました。ポール・ハリスは急激に人口が増え管理体制ができていないシカゴの中で、新しい職業人の活動を考えはじめます。そして同業者は仲がよくないことが多いが、異業種の職業人同士は結構仲がよいことに気づきます。それをヒントとして、1つの職種から1人を会員とする職業人のクラブができれば、人々の心の渇きをいやせると思ったのです。そのような中、ポール・ハリスはほかの3人の仲間と1905年2月23日、シカゴ、ディアボーン街127番地・ユニティビル711号室で会合を開きました。これがのちのロータリークラブ設立の最初の会合となります。この時のメンバーが、ガスターバス・ローア鉱山技師、シルベスター・シール石炭商、ハイラム・ショーレー洋服生地商の3人です。ロータリーが出来た当初、奉仕の概念はありませんでした。一業種一人という限定会員制度の社交クラブの目的、それは会員同士で行う商売、すなわち物質的相互扶助(お金儲け)と会員相互の親睦を深めることが目的だったのです。 ドナルド・カーター事件 奉仕概念の芽生えロータリーの活動がすすんできたころ、弁理士のドナルド・カーターという人物を勧誘します。ところがドナルド・カーターは「断る。自分たちだけが定期的に集まって、肩と肩とを寄せ合って、皆が仲良しになって、挙句の果てに商売が繁盛する……。自分たちだけ良ければそれでいいのか。」という強烈な言葉をうけます。ポール・ハリスはその言葉を聞き反省、それであるならばわれわれ

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